Airbnbの経済効果や影響は・・?
Hawaii Society of Business Professionals主催で「All Eyes on Airbnb & its Impact on Hawaii’s Economy: an HSBP luncheon」=ハワイ経済へのAirbnbの影響 というトピックでの会合がワイキキプリンスで開催されました。(2017年)
ハワイの不動産を取り扱う私達としても、非常に興味がある議題でしたので会議に参加してきました。様々な業界から170名ほどが参加。関心があるトピックであることが明らかですね。
さて、どんな内容かというとAirbnbの本社から会社としての今後の展開とハワイ州の民泊に関して担当者がスピーカーとして参加しました。
彼の話に寄るとハワイ州のAirbnbは、
1.アクティブホスト(掲載数)8400軒
2.年間の平均貸し出し日数:56日/年
3.リスティング(1掲載)の40%は1年に30日またはそれ以下の日数を貸し出している
4.リスティング(1掲載)の67%は1年に90日またはそれ以下の日数を貸し出している
5.ゲストの平均滞在日数:4.8日
6.平均ゲスト数:2.5人
7.ホストのAirbnbの平均収入:$11,800/年 (2016年のデータ)
ということです。
このデータを拝見して分かったのはハワイでは投資物件を購入してAirbnbで運営をフルにしているオーナーさんは意外と少ないなということでした。年間稼働日数が56日では住宅ローンを借り入れしてローンの返済をしている場合などは持ち出しになってしまう可能性大ですね。1か月80%位の稼働率で計算をしているとすると、全く異なった話になってしまいます。
もちろん、バケーションレンタルが可能な物件を購入し(ホテルの物件など)ご自身でAirbnbやVRBOで予約を上手に取っている場合は1か月8割から9割の稼働率で貸し出しをしている方もいらっしゃるので一概には何とも言えませんが、会議で拝見したデータは興味深いものでした。
ハワイの場合は物価や不動産も非常に高い為、投資物件を購入してそれをAirbnbで運営するというよりは、自分が住んでいる家に住み続けるための収入源としてAirbnbを利用している人が多いという事です。(66%のホストがそのように回答しています。)
日本は民泊法が出来て民泊の市場がシュリンクしそうな感じですが、日本の民泊のスタイルとハワイの民泊はかなり違う気がします。(まあもともと市場が全く異なるので同じようには考えてはいけませんね。)
以前もブログでお話ししましたが、違法なバケーションレンタルは取り締まりを受けていますので、不動産物件を購入する際には短期で貸し出し可能な物件なのかどうかをきちんと確認した上で購入する必要がありますね。
ここからは私の個人的な意見です。
まずAirbnbの歴史を振り返ると創立者が何故このビジネスを立ち上げたかという話になりますが起業のきっかけは自分達が住んでいたアパートのリビングを町でイベントがある時にエアーベッド付きで貸し出せば生活費の足しになるかも・・・ということが創立者がこのビジネスを立ち上げたきっかけでもあります。
本当にアメリカ人らしい考えですがこれが上手くいき、今では世界中で知られる民泊のポータルサイトになりました。こういう話を聞くと企業や事業主が投資として参入したくなるのも十分理解できるポテンシャルのあるビジネスですが、彼らの本来の狙い(会社のミッション)は自分の住む家のお部屋の一室を貸して世界中の人に素晴らしい経験&体験を提供し、それによって収入を得られるという旅行者にもお部屋の提供者にもWin-Winのシェアリングエコノミーを提供する…という事が一番彼らが願っている事だと思います。
という事で、私はこれをあえて「ビジネス」として100%捉えるよりも「経験&体験の共有」という事にポイントを置くと民泊は上手くいくと思います。
以前Airbnbの会社紹介かなにかの動画でご主人を既に亡くされた未亡人の女性が自分の自宅のお部屋をAirbnbで貸しだし「元気に毎日動けるのは世界中から尋ねて来る旅行者との交流があるからよ」とインタビューで話されていました。
他の老夫婦は「Airbnbが無かったら住宅ローンを返済できず、家を泣く泣く手放していた事だろう。Airbnbで得られる収入のおかげでこうやって暮らしていける」と話していました。
投資物件としてワンルームを運営するのではなく、こういう形で自宅の一部屋を貸す、自宅の敷地内のゲストハウスを貸し出す…などして生活費やローン返済の足しに出来るのであれば素晴らしい事だと思います。
アメリカでも企業として、またはグループで遠隔から購入した投資物件を民泊物件として管理している人たちが多くいますが日々発生するゲストからのリクエストやクレームを管理会社や現地スタッフを雇って100%管理するのは本当に大変だと思います。(相当現地スタッフとの信頼関係や良いスタッフを雇うという事が必要)
こういった事は実際に自分で民泊を運営してみないと分からない事なので、民泊にご興味のある方、上手な運営方法について情報が欲しい方は是非お気軽にご連絡ください。私たち夫婦は現在アメリカ本土で自宅の敷地内に民泊物件を管理&運営しています。こういう形だと上手くいく、これでは難しい&厳しい・・・・など実際のケーススタディから色々とお話しできると思います。