最近アメリカ不動産市場がニュースで話題になっていますが どのメディアを見るかによって、金利や住宅価格について実際はどうなんだろう・・・と理解するのが少し難しい時もあります。
今日の不動産市場で実際に起こっていることを理解するのに最も良い方法は、データを見て理解することです。 以下の3つのグラフをまとめ、それぞれのグラフが何を示しているのかを把握しているチーフエコノミストからの引用をここでご紹介します。
目次
1.住宅ローン金利について
“The real estate market is thawing in response to the sustained decline in mortgage rates and rebound in consumer confidence – two of the most important drivers of home sales. Rising sales demand coupled with more inventory than previous spring seasons suggests that the housing market is in the early stages of regaining momentum.” – Sam Khater, Chief Economist at Freddie Mac
「不動産市場は住宅販売の最も重要な2つの要因である①住宅ローン金利の持続的な下降と②消費者の景気動向に対する信頼回復を受けて緩和しています。昨年の春よりも多い物件の在庫と相まって販売需要の増加は住宅市場が勢いを取り戻す初期段階であることを示唆しています。」- フレディ・マック(連邦住宅金融抵当公庫)チーフエコノミスト、Sam Khater
2019年1月から3月までの30年固定金利住宅ローンの数字の動き
2.人々の収入について
“A powerful combination of lower mortgage rates, more inventory, rising income and higher consumer confidence is driving the sales rebound.” – Lawrence Yun, Chief Economist at NAR
「低い住宅ローン金利、より多くの不動産在庫、より高い収入、そしてより高い消費者信頼感という強力な組み合わせが売上高の回復を牽引している。」全米不動産協会 チーフエコノミスト、Lawrence Yun
1年前と比較しての時給の変化 (例:1.9とは1年前と比較して1.9%上昇という意味)
3.全米の不動産価格について
“Price growth has been too strong for several years, fueled in part by abnormally low interest rates. A mild deceleration in home sales and Home PriceIndex growth is actually healthy, because it will calm excessive price growth — which has pushed many markets, particularly in the West, into overvalued territory.” – Ralph DeFranco, Global Chief Economist at Arch Capital Services Inc.
「異常なまでに低い金利によって支えられてきた不動産価格の上昇はこの数年強すぎたが、住宅販売数や住宅価格指数の伸びが緩やかに減速しても、過度の価格上昇(特に過大評価を生んだ西海岸地域)を落ち着かせることになるので健全な市場と言えるであろう。Arch Capital Services Inc. グローバルチーフエコノミスト、Ralph DeFranco
まとめ
このグラフから分かる事は今春のアメリカ住宅市場にとっては朗報であること - 金利は低く、収入は増加しており、住宅価格は過去9ヶ月間で緩やかに減速しています。売り手、買い手両方にとってバランスの良い市場に近づいています。
不動産エージェントが「売るなら今がベストのタイミング!」「買うなら今がベストなタイミング!」と言うのはあまり好きではありません。不動産は大きな買い物。感情的にならずメディアに振り回されず、データや過去の販売履歴を見ながら慎重に判断すれば失敗せずに済みます!